北海道開発技術センター

更新日 : 2016.1.7
新年おめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。

一般社団法人 北海道開発技術センター 会長 佐藤 馨一 


佐藤馨一 会長写真北海道新幹線が青函トンネルを通過して、北海道へ上陸する年を迎えました。 青函トンネルは1964年(昭和39年)に先進導坑が着工されて以来、1984年(昭和59年)に本坑が貫通するまで20年の歳月と、34人の殉職者を出し、総工事費約7500億円が投じられて完成しました。しかし完成時には鉄道旅客の輸送シェアが激減しており、青函トンネル無用論が唱えられました。これに対し、筆者は青函トンネルを利用するのは人だけではなく、貨物にも利用されていることを指摘し、その費用対効果が1.9に達することを明らかにしました。 北海道新幹線は貨物列車と青函トンネルを共用する方式で運行します。このため、新幹線の最高高速度が140km/hに制約され、東京~函館間の所要時間が4時間を越すことになり、道民の期待を裏切ることになりました。現在、260km/hで走行する高速新幹線を1本/日だけ走らせる検討が行われています。この場合、3本/日の貨物列車が運休しなければなりません。その機会損失額を試算すると約1500億円/年となりました。それだけ鉄道貨物が北海道経済に貢献しているのです。 全ての貨物列車を運休することなく走行させ、全ての新幹線も高速走行させる最善の方策は第二青函トンネルを建設して、青函トンネルを旅客用と貨物用に機能分担させることです。第二青函トンネルの建設費は約5000億円と概算されていますが、その建設費は10本/日の貨物列車が運休しない場合の機会便益により一年で償還されます。青函トンネルには現在、約50本/日の貨物列車が走行しているので、第二青函トンネルの便益は北海道にとって膨大なものになります。 2016年が第二青函トンネル建設の開幕の年であることを願っています。

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