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更新日 : 2021.1.5
新年のご挨拶
一般社団法人 北海道開発技術センター 副会長
田村 亨

田村 亨

令和の時代を迎え、わが国は様々な課題に直面しています。とりわけ世界史に残るこの度の新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本と世界の繋がり、私たちの生活、社会のあり方が変わってきているように感じます。

今道民は、どれだけ「災い転じて福となす」ことができるのかを試されているのではないでしょうか。すなわち、コロナによって浮かび上がってきた北海道の具体的な弱点をどう克服するかということです。  

例えば、わが国のデジタル化は、先進国の中でも大変遅れていることが明らかとなりました。積雪寒冷で広域分散型地域構造を持つ北海道において、デジタル化は交通サービスの向上や建設業の人手不足解消などとも強く関係しています。

交通のデジタル化を考えてみましょう。大きな病院へ公共交通機関で通院する人にとって、路線バス停留所までの二次アクセス交通の確保は重要です。また、北海道開発局の物流インフラ維持調査によって名寄以北から大都市への物流量の減少に伴う配送手段確保の必要性なども分かってきました。デジタル技術を使った解決方法として、利用者の需要に合わせて送迎するバス事業や道の駅を農産品共同集荷場として活用する動きなどがあります。デジタル化が進むと個人情報の問題が生じてきますが、新しい社会づくりは与えられるものではなく、地域から湧き上がってくる勢いが必要です。地域が主体となりあいまいな私権と公権の境を整理し、利用者とサービス提供者が合意し契約できれば、デジタル化を進めることができるはずです。  

一方、コロナによって変化が加速したこともあります。例えば、若い世代を中心にリモーワークが進み、働き方や暮らし方の多様性を重視する動きが拡がっています。人々の活動の多様化は地域に個性を生み、地域づくりの多様性をもってリスクに強い北海道に生まれ変わることができます。北海道においても、自分にはできるし、やろうと考え、周りの人を巻き込んで実行しようという人が増えてきており、このような行動変容が進めば大抵の危機は乗り越えられます。

コロナとの闘いはさらに続きますが、二〇二一年は、洗練された自然が残る北海道から新しい世界が構想され実践される年となることを願っています。


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