北海道開発技術センター

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更新日 : 2022.1.4
新年のご挨拶
一般社団法人北海道開発技術センター会長
田村 亨

田村 亨

コロナ禍の長期化は北海道の基幹産業である観光関連サービス業に大打撃を与え、地元資本の飲食業や宿泊業の撤退は交流人口にとって地方の魅力減と映っています。同時に滞在型・移住型ワーケーションの展開やeコマースの家庭への浸透は、都市と農村の両方に住むことを容易にしていくでしょう。デジタル化のスピードに期待と不安を入り混じらせながらも、今、われわれの目の前には、縄文文化、アイヌ文化、開拓・開発の歴史を踏まえた大いなる進化の可能性が広がろうとしています。

大きな時代の変わり目を迎えて、先進諸国では「未来への投資」が始まりました。昨年末アメリカ議会下院は、道路や橋の修復、インターネット環境整備などを盛り込んだ136兆円規模(5年間)の「インフラ投資法案」を可決しました。2020年末イギリス財務省は、交通・デジタル・電力の施設整備で地域格差の是正を進めるという「国家インフラ戦略」を公表しました。わが国でも、広域道路ネットワーク、流域治水、カーボンニュートラルポートに関わる法案や計画が作られ、現在、国土形成計画の見直しを始めています。

北海道総合開発計画の見直しもこの春から始まろうとしています。そこでは将来の希望が見えている北海道像が描かれるでしょう。食と観光を担う生産空間を中心に地域生活圏内の人々が絆で結ばれ、助け合い、豊かな自然に囲まれた農村と人々が集う都市が調和を保ち、個々人が自らの意見を持って諸外国とも堂々と渡り合う、自立した北海道の姿です。それを実現するためにはイノベーションと呼ばれる経済や社会の大きな変化を創出する幅広い主体による活動が求められ、それを支えるインフラの機能維持・向上が重要となります。道路を例にすれば、道路構造や車両の改良によって高速道路の時速140q走行を可能にすることや、デジタル化に支えられた大雪時の走行支援などは必至です。

未来はワクワクするものであってほしい。美しく誇りの持てる自然、尊敬される文化と人々、静かで成熟した生活、バランスの取れた地域内の経済といった真の豊かさ目指して、2022年は北海道から新しい世界が構想され実践される年となることを願っています。


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